江戸期に手足が自由に動き、正座ができ、場合によっては自立可能な市松人形が完成されました。写真の三つ折れは、当時の三つ折れとは違い、丸い関節を持ち、手足が関節部分で自由に動くようになっています。正座したときには脛部分がきちんと収まるように、大腿部の後ろは削られています。これが、平田郷陽先生の三つ折れです。陽辰先生は、この技術を受け継がれたのです。

関節部分は球状にカットされ細い竹串が渡され、ゴムで連結されます。ゴムは体の中に終結しています(当時は紐)。普通の市松にある、おなかのフイゴは付いていないものが一般的です。
大変な技術と手間のかかるお人形で価格も普通の市松人形に比べ割高となりますが、人形師の腕の完成度が充分に評価されます。中には全て木彫りというものまであります。
今回ご紹介いたします、この陽辰先生の三つ折れ市松は、刀を擱かれました先生の作品のなかでも、長い睫毛とオープンマウスに上下のきれいな歯までそろい、きれいに爪切りがなされ、手指の形は師の郷陽ゆずりの形です。先生の三つ折れのなかでも出色の作品です、昭和の名人の力作をどうぞご覧ください。


また、先生が手元に御取り置きされておられました三つ折れ市松の最後の作品の特別頒布を行いますので「お買い物」のページでご覧ください。一生の宝物として是非どうぞ。